vol.12 まちのゲストハウス考
真野洋介 片岡千重子 編著 学芸出版社
・ゲストハウスを経営する10人の方々にその成り立ちを書いてある本
・大事になるのは、地元との付き合い方。周辺の住民やお店と関わることでより良いゲストハウスを作っている
・悩ましいのは雇用者の問題。基本的には自分一人で回したいと思っていながらも、運営上、様々な問題が生じて、スタッフの雇用のやり方などの悩みが多かった。
・そのため、地域の人間関係、まちに対する思い入れ、日常に対する感覚も大事な資本である。
・最近のゲストハウスに見られる傾向は、宿場の結節点(ハブ)である。ゲストハウスだけでなく、カフェ、パン屋、本屋、銭湯などの開かれた場所と繋がりによって、小さくても独特なエリアを形成している。
・最近の旅行はガイドブックの確認的な要素がある。ゲストハウスは、このような要素とは異なり、写真や文献だけでは分からない豊かさがあり、そこに魅力を感じる。
・ゲストハウスは「場のビジネス」を再構築する力がある。この本で取り上げているゲストハウスは僻地にある。そのため、資本、人材、マーケット、社会関係資本で厳しい面もあるが、金銭的収益をだし、お金で買えない様々な価値を生み出すことができる(筆者はこれを、ローカル・アセンブルと呼んでいる)
・ゲストハウスは滞在型の観光の傾向が強まる日本でますます浸透するだろう。