vol.48 FACT FULNESS
ハンス・ロスリング著 日経BP社
・まず人間には10の本能がある。これらの本能は正常な判断を妨げてしまうことがある。
①分断本能②ネガティブ本能③直線本能④恐怖本能⑤過大視本能⑥パターン本能⑦宿命本能⑧単純化本能⑨犯人捜し本能⑩焦り本能
①分断本能
人は上か下かの2項で比べてしまいがちだが、現実としてはその中間が最も多い。
例)貧困のレベルは中間が多い。
②ネガティブ本能
ネガティブなニュースや記事は目に付きやすい。悪いと良いは共存する。
例)平均寿命や所得の変化は好状況。
③直線本能
グラフはまっすぐ伸びると勘違いする人が多いが、必ずどこかで曲がるもの。
例)人口はすでに頭打ちの段階にあり、人口爆発は抑制方向に。→女性一人当たりの出産数の減少
④恐怖本能
人間は恐ろしいものに自然と目が行ってしまう。
例)戦争や紛争による犠牲者数はかなり少ない状況。だけど多く感じる。
⑤過大視本能
ただ一つの数字が出され、多く感じる。
例)昨年は420万人の赤ちゃんが亡くなったが、これまでと比べると圧倒的に少ない。
⑥パターン化本能
同じようなパターンがあったら、そこだけを根拠に決めつけてしまうこと。
例)ユニセフ向けに安価なワクチンを製造していた会社は金利を使うことで原価以下の値段で提供できた。裏はない。
⑦宿命本能
いろんなものはゆっくり確実に変化するもので、宿命なんてものはない。
例)すでに女性は平均で9年間教育を受けられるのに、女性は教育を受けられないものと決めつけてしまうこと。
⑧単純化本能
一つの視点だけでは世界を完全に理解できないこと。
例)民主主義は完全ではない。
⑨犯人捜し本能
誰かを犯人として特定してその改善を目指すやり方は間違ってる。
例)二酸化炭素を排出しているのはレベル4の暮らしをしている人であり、レベル1の人がそのままの暮らしをしろというのは間違いである。
⑩焦り本能
今すぐに決めなければならないという思い込みは誤った判断をしてしまう。
例)道路を封鎖した著者のミス
このように知識をアップデートするとともに、事実に基づいた冷静な見方をすることが大事である。