読書感想文

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vol.56 日本人の勝算

デービット・アトキンソン著 

東洋経済新報社

 

第1章

・日本が人口減小によってかなりのデフレ圧力がかかっている。

量的緩和は、人口が増える段階においては効果的な政策だが、人口が減るので総合の消費量は減少する。

・人口減小の時代にはまず、不動産の価格から落ちていくことが予想される。ともかく、空き家率が上昇するからである。

 

第2章

・経済は規模より中身を見るべき。総額のGDPでは世界第2位だが、一人当たりに換算するとさほど高くはない。

社会保障を回すためにも、経済を縮小することはできない。人口が減る時代では生産性を上げるしかない。

・そのため、高付加価値、高所得経済を目指していくべき。経営者を自由にすると、これとは逆行してしまう可能性があるため、注意。

 

第3章

・過剰になった供給は輸出をすることで補っていくべき。

・鶏卵問題にもあるが、高い生産性を持っていることで輸出できるようになる例が多い。逆はない。

・また、良い輸入は生産性の向上に寄与する場合がある。

 

第4章

・日本には中小企業が多く、それを守ろうとしている動きがある。しかし、一人当たりのGDPに換算した時、大企業の方が高いというのが世界的な傾向である。

・ただ、中小企業が持っている技術や、社会への貢献性は無視できない。そのため、廃業ではなく、統合をしていくべきだ。

・というか、企業の統合や廃業は、人口減少の世の中でおいて、求人力の低下や賃金の低下などによって廃業がやむを得なくなる。

 

第5章 第6章

・これから、日本の政府が取るべき政策は「最低賃金の上昇」である。

・賃金の上昇は以下の効果がある。

①賃金の上昇による消費の活発

②経営者に対して生産性を上げなければならない強制要因になる。

最低賃金を全国統一にすることで、東京への流出が防げる。

④他、女性活躍なども。

・賃上げの上昇は3%くらいで。一応、計算できるし、実現できる数字。

 

第7章

・日本では、賃上げだけではまだ足りない。教育制度も大きく変えるべきだ。

・優れた人材、優れた設備は持っているが、その二つの掛け合わせた力がない。大人になってからの研修や教育制度が整っていない。

・生涯教育をもっと頑張らなければならない。