読書感想文

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vol.79 内向型人間のすごい力

スーザン・ケイン著 講談社+α文庫

第1章

・20世紀に入り工業化が進んだことでセールスマンという概念が生まれ、外向的な人が凄い!という風潮が広がり、外向的こそ理想ということに。結果、内向的な人はコンプレックスを持つように。

 

第2章

・リーダーといえばカリスマ高い、外向的人間というイメージがあるが(現に、ビジネススクールではそういう人材を育成しようとしている。)そんなことはない。内向型でも良いリーダーになれる。内向的と外向的は陰陽の関係で上手に役割分担をすること。

 

第3章

・また現在ではチーム主義、集団主義が跋扈しており、共同で何かをすることが多いが、個性を殺しまくっている。なにかに集中する時は1人の方がいいし、創造性も一人という環境で生み出される。ブレストも壁のないオフィスも意味がない。

 

第4章

・性格は50%は遺伝子で決まる。後は環境要因。そのため、外向性と内向性を併せ持つ事も起こりうる。(具体的には扁桃腺の反応度合い)

 

第5章

・またこうして持った気質は一生涯消えない。また、あまりにも刺激が多かったり、強かったりすると疲弊するので、自分にとって最適なレベルの刺激は何か追い求めると、行動に繋がる。

 

第6章

・内向型の人間は良心を持ちあわす傾向にある。例えばフランクリン・ルーズベルトは政治家らしく、外交的で、交渉やコミュニケーションを以って政治を行っていた。それを支えた妻、エレノアは良心を持つ、内向的人間として差別などに強い関心を寄せ、夫に進言した。

 

第7章

・報酬に対する感動が強すぎると外向的な人間は、強く反応し、結果大損してしまうことになる。対して、内向型の人間は冷静な相場判ができるため不況下においても投資に成功する。個人的には、ウォール街の不況は、強い外向的な人間による、無謀な売買が元だと思う。

 

第8章

・文化的に外向的な人間に対する相違はある。例えば、アジア系の学生(孔子地帯は)相手の話をよく聞くという教えが施されているため、内向型が多い。一方、アメリカ系は、1900年初頭からのセールスマン文化のせいで外交性が重視される。それぞれ相違はあるものの、自分の特性を知り、それに従うことが何よりも重要である。抑制を知り、静かに粘り強く生きよう。

 

第9章

・モテるのは外向的だから、恋人相手に振る舞うのはあり。その時も持ち前のセルフチェック能力で自分を振り返っていき、所々抑制していくこと。自分ではない人間に変身しようとする試みは、失敗する。自分の仕事上で必要なので、別の自分を演じる必要はあるが、必ず休憩する時間、戻る場所を見つけておくこと。

 

第10章

・外向的と内向的のコミニケーションは噛み合わないことが多い。性格や言葉遣いもまるで違うし、敬意の表し方も違う。相手とのコミュニケーションを重ねる内に傾向を把握して、擦り合わせる努力をすること。

 

第11章

・子供が内向型の場合、無理して外向型に矯正せず、子供が持ってる興味に注視する。(内向型が持ってる集中力は凄いから、一流になれるかも!)学校は不適当な環境ではあるが、それでも工夫や訓練によって乗り換えるきっかけになりうる。