読書感想文

読書感想文を書くための私的ブログとなってます。@kansobun_bookでインスタしてます。

vol.109 空気を読む脳

中野信子 著 講談社+α新書

 

第1章

人間は集団を形成することで繁栄を築いてきた生き物である。そのため、自分を犠牲にして他者を救うことや、利他性を司る部分が発達してきた。日本人は特に、セロトニントランスポーターの量が少なく、不安傾向があり、同調する傾向があるとされているが、そこから、フリーライダーを許さない構図が生まれ、不倫や不祥事のバッシングが強まる傾向がある。しかし、人生という予測不能な事態の連続はまるでギャンブルであるかのようで、そこへの対抗として、新規探索性への興味も惹きつけられるようになった。異性がダメ男を好きになる原理も、未知のものに惹きつけられたからである。また、ダメ男は性への衝動が強く繁殖能力が高いので、交われば自分の遺伝子を残せるというメリットがある。

 

第2章

女性は図らずも呪われた性になってしまった。女性の容姿が良いと、管理職に適さないという判断が為されたり、嫌味・妬みの対象となってしまう。かと言いても、容姿がそこまでで、バリバリ仕事をしてきた人であっても、結婚しないという嫌味・妬みのプレッシャーを受け続け、気付いたら周りに妥当な人は残っていないという状況になってしまう。

親の立場になった時、自分が受けた失敗をさせたくない、自分以上に成功して欲しくないという思いから、過度の干渉やレールを敷いたりしてしまい毒親になってしまう。

 

第3章

褒めるというのは非常に危険である。自分が頭が良い子だという周りからの称賛を受けていることに自覚した子供は、その環境で得られるメリットを享受していくため、失敗を恐れたり、チャレンジをしなくなってしまう。また、自分が継続して評価されるためにウソをついたりすることもある。データの改竄・偽装はここから起きる。努力や工夫を褒めていきましょう。

 

第4章

不安傾向が高い人間は長寿で健康で居やすい。また、合理性とはかけ離れた思考回路が存在するのも、生存戦略に意味があるからである。AIの発達などで世界が大きく変容している現在で、自分が持っているカードを冷静に分析して生き抜いていこう。