読書感想文

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vol.5 新観光立国論

デービット・アトキンソン東洋経済新報社出版

・日本の人口が減っていく中、一時移民である「観光客」に力を入れることは重要だ。

・日本は観光客を1300万人を突破したが、日本の観光潜在力や他国との比較を考えれば全然低い。

・観光は自然、気候、食事、文化の4つの観点から見られる。日本はこの4つ全てが高いレベルにあるという珍しい国であるのが、観光潜在力を高いとする根拠

・ともかく、多様性を持たせること。他国では細かい料金設定があり、自身の経済力に応じて相当のサービスを受けることができる。日本は料金設定が1つ、2つしかない。

・お客さんに対しては柔軟な対応をすること。真面目なのか規則に従う日本人の気質があるからかもしれないが、逆に柔軟性に欠けている。追加料金を頂くなどで海外では対応している。

・街並みの整備をしっかりすること。京都の中心部にビルがたちすぎ。

・富裕層に対してお金を使わせるサービスを考えること。日本では一泊100万を超すような超高級ホテルがなかなか存在しない(もしくは、それくらいな料理など)ななつ星とかはいい例。

・観光マーケティングを意識すること。どの国のどの世代の人に対して何をアピールするかきめ細かく考えること。「電車が時間に忠実」「治安が良い」なんてものを発信しても観光客は来ない。

・国別で分析してみること。オーストラリアからの観光客、韓国や中国からの観光客、フランスといったヨーロッパからの観光客。旅行スタイルは三者三様。日本は高い予算をかけてくるオーストラリアやヨーロッパの人を対策してみるべき。

・言語対策は必ずネイティブの人を加えてすること。

・無理をして無料にしなくても良い。良いサービス、精魂込めて作ったパンフレット、ガイド、展示物、説明があれば、外国人は来てくれるし、満足する。同じ理由で無理して安くしなくていい。

・高い料金を頂くのは生産性向上と文化財保護のため。日本の国家予算に占める文化財保護の率が少なめ

・いかんせん、傲慢なところが目立つ。「郷に入って郷に従え」は観光客がもつ心構えであり、「郷に入ったから郷に従え」と言わんばかりの迎える側の態度では観光客は喜ばないし、そういう態度では観光客は来ない。価値観は押し付けないように。