vol.43 超ソロ社会
荒川和久著 PHP新書
・これからの時代を生き抜くには「ソロでも生きていく」というソロ充の生き方が必要。
・まず、日本は総人口の半分がソロ生活者となる。配偶者との死別、単身、など一人の理由はそれぞれ。
・昨今は「草食系男子」という言葉があるが、日本の歴史からみて3割は結婚しない生き方をしていた人がいた。ただ、高度経済成長において皆婚社会になり婚姻率は95%にまで上昇した。そのことから結婚しない人に対するあたりが強くなった。
・男が結婚したがらない理由、女が結婚したい理由、別れる原因は全部金。だからか、結婚できない男は収入が低いし、結婚しない女は年収が高い。
・まあ、結婚に魅力を感じなければ年収が高くても結婚しないけど。
・よく、実は結婚したい!という意見を出す根拠として、結婚と生き方に関するアンケートの結果を出すが、その裏には日本の強い結婚規範がある。
・ちなみに、日本男児は受け身がち。イザナギノミコトですらも。
・離婚は女から出されることが多い。理由は金もあるが、育児や家事の不参加も。現に男性より圧倒的に女性の方がそれに割く時間が多い。
じゃあそのソロ社会の消費は?
・モノ消費、コト消費に次いでエモ消費が起こる。
・ソロ生活者向けのマーケティングを。単身世帯が4割にもなるのですから。
・マーケティングは家族という群から個に向かう。そのため1to1マーケティングなどで多様化していく必要がある。
ソロ社会をどうやって生きるか?
・技術的特異点(シンギュラリティ)の世界では選択肢の多さが魅力的。結婚、育児などありとあらゆる形から自分にあった形を選択できる。
・ただ、本当に一人で生きるのではなく、家族以外にも友人など多くのコミュニケーションを持ち、リスクを分散させる必要がある。人は一人では生きていけない。
・今、配偶者を持っている人も「家族」という形態に依存しすぎないこと。
仕事をしている人も「仕事」に依存しすぎないこと。
・また、自分を愛すること。愛されたいのなら、まず、自分の足で立つこと。
・一人十色と、自分が持つ全ての顔を許容すること。何かを変えるのではなく、「新たな自分を育てる」を意識。
vol.42 世界一訪れたい日本のつくりかた
・これから、世界の五分の一18億人が観光をする時代になる。
・日本の潜在能力が高いのは言わずもがな。
・観光は為替や国際情勢の影響を受けずらい。
・アジアからの集客は順調にできているが、欧州などがいまだに弱い。フランスはあまり観光するような柄ではないので、ドイツを狙うべき。
・日本の人口が減少していく中、観光で稼ぐには外国人から稼ぐしかない。そのために、量を優先してきた昭和の観光では通用しない。
・満足度を上げることがリピーターの増加になるので、どうやって満足度を上げるかを考えるべき。画一的なサービスでは満足度は低い。
・日本は今まで、「文化・歴史」に力を入れてきた。しかし、今後は自然も重要な要素になってくる。自然の発信がうまくできていないという現状もあるが、自然観光は長期滞在のため観光収入が大きい。
・また自然環境問題を外国人に解決してもらうというのも一つの案。世界には金をかけても釣りをしたい人や狩猟したい人がいる。
・以前、翻訳はネイティブチェックをしてもらうべきとしたが、外国人相手に専門用語を列挙した解説文を作成しても意味不明。歴史に理解があるネイティブライターに作成してもらうのが一番。
・翻訳も必ず(So what?)テストをすること。
・日本には5つ星ホテルの数が少なすぎる。そのため高級ホテルの整備を急ぐこと。
・また、価格に見合ったサービスを考え、世界標準のサービスを考えること。設備は良くてもサービスが悪かったら台無し。
・日本はあるゆる方面で産業化を急がなくてはならない。スポーツや観光にしても然り。今までは教育的な側面があったが、自助努力によって存続させるための仕組みを整えるべき。人口が減少していくこれからでは稼げないものは衰退していく。
vol.41 子どものまま中年化する若者たち
鍋田恭孝著 幻冬社新書
・最近の子供の特徴としては以下のようなものがある。
体力の低下、統合能力の低下、生きること全般へのエネルギーの低下、群れなくなった、コミュニケーション能力の低下、内向的で変わろうとしない、何か将来へのビジョンがなく流されるように生きている、素直で優しく言うことを聞く。
・このような生き方になった理由はいくつかある。
①学歴社会の崩壊といった「目指すべき理想像」がなくなったこと。そのため、成らなければいけない姿と現実の自分との解離で悩まなくなった。素直に大人の言うことを聞くようになったのもこのためか。
②バーチャル世界の発達。バーチャルな世界では時間軸やコミュニケーションが断片的になりがち。
③家族関係濃密化。目指すべき理想像の崩壊によって、家族関係が最も頼れる存在であり、そこに培養されるような環境が生まれた。また、親自身も子育て経験の減少や自身がその崩壊を経験し、目指すべきものを持っていないことも影響。
④社会からの理不尽が解消されたが、身の回りの理不尽が解消されたから。理不尽は、群れること、対抗心、絆などを形成されるようになったが、今はキャラ、空気を読むなど身の回りの理不尽に一人で戦わなければならない。
・そのために、現代では特有のうつ病、アスペルガーなどが見られる。漠然とした不安を持ちながら、不満のない日々を生きている。
・以前は明確な差や激しい理不尽。または貧困もあったので強く何かを求める。そこにエネルギーが発生していた。
・これは比較的に良い流れとも受け止めれる。以前はアメリカや豊かな暮らしなどのために、猛烈に突き進んでいった。それが、地に足をついて自分の国ではどうなのかと言う観点を持っている。「森は静かに燃えている」状態。他人に親切にしながらも、領分は侵さず、四季を楽しむような植物的な生き方が理にかなっているのではないか。
・ただ、大人が用意したシステムをそれなりにこなすだけで自己万能感を持ってしまうのは問題。社会に出てから打ちのめされる。
・理想な子育て
①親自身が大切にしているもの。もしくは、夢やビジョンを持つ。
②出来るだけ大人数で暮らす。他者とのコミュニケーションを通して自己を相対化する。
③枯渇感を体感させる。枯渇感や貧しさは得られた喜びを得られる。
④体で覚える体験をする。外界に働きかけ何かができる体験は自身を生む。
⑤様々なものを体験させて親がサポートする。
vol.39 超AI時代の生存戦略
落合陽一著 大和書房
・まず、これから先の戦いを誤認している。人類VS機械ではなく、人間と機械親和性の高い人間との勝負に他ならない。ちなみに、日本は大負け。
・これから、ワークアズライフという生活になる。様々な生活スタイルをして、技術的革新で多くの仕事ができるようになった今、コンピューターの分野にはない「遊び」がより価値を発揮していく。
・そのため、遊び(趣味)と仕事とで関係ないのはナンセンス。
・物事の継続性はドキドキするギャンブル性、収集癖としてのコレクション的要素、そして心地よさの三つが重要である。
・なにかしらの完成形を持ち世の中に発信していくことは重要だが、最初は自分が良ければいいという所から始める。それで、報酬が貰えれば言うことなし。
・これからの仕事はスペシャリストが大前提。
ゼネラリストのような知識の付け方では、コンピューターに負ける。
・また、ニッチな分野でも一位を取ることが重要になってくるし、資格などがコンピューターに負けるようになる。
・合理的な物事はコンピューターがするので、非合理的なものが大事になったりする。飲み会とかが大事なのかも。
・プレゼンは大きく二つ、効率的な情報伝達かエンターテイメントか。どちらにせよ、ジェスチャーを加えて視覚的に訴えること。
・理想的な知識の付け方はざっくりでもいいからフックがかかっている状態。とっかかりさえあれば、ネットなどから様々なサポートが受けられる。
・これから、企業の形や勢力は大きく変容する。技術革新のスピードは凄まじく、付いて行けずに淘汰されることが予想されされる。効率的な企業活動のため、無駄な会議や資料、仕事がないか点検し、積極的に機械に投げる必要がある。
・政治への関与がもっと求められる時代になるし、無関心だと、すぐに時代に置いていかれる。
・これまでは平均値社会として、様々な分野で高い得点を出すことを求められてきた。しかし、今後はピークを高い所へ持ってくることが大事。平均値社会で気にした周りのことへの意識はどんどん薄れていき、外見なり趣味などのピンポイントでの高得点を出そう。
・自動運転で住む場所など不動産での大きな変化が起こる。
・自己投資に金を使い、むやみやたらに金を貯めない。
・ストレスを感じる原因は「なりたい自分になれない」「平均より劣っている」
・意識した自傷行為は認められるべき。
・子育てのポイントは何をすれば喜ぶかを考える。そこで報酬がついたら、勝手にやり始める。
・これから訪れる時代を、機械による奴隷の世紀とするか、親和性を高めて豊かな時代とするかで大きな差が出る。
・テクノファビア(テクノロジー恐怖症)とは、適応するしか道はない。
vol.38 読書する人だけがたどり着ける場所
齋藤孝著 SB新書出版
・本を読むことのススメや読み方を指南した書
・筆者的には著者やジャンルをまとめて読むことがオススメ。ジャンルの本を5冊読めば、だいたいAランク
・読み方もただ読んでいるだけではダメ。本に書いてある内容の認識、本の世界を頭の中で創造して映像化すること。こうすることで他者への理解・共感が高まり、コミュニケーション力の向上に繋がる。
・また、著者の思考力を読み取る力もつく。
・ともかく教養のある人になり、勝ち負けより豊かに生きることを目指そう。
・いきなりで構わないからレベルの高い本にチャレンジする。集中力が鍛えられる。いつまでたっても優しい本では難しい本は読めない。
・読んだ本を他人に話す、ポップを書いてみるなどすることでより深い学びが得られる。
・知識は細胞分裂的に増えていく。本を読んだ後、なにも残ってないと悲観することはない。
多く冊数をこなした先に驚くべき成長が待っている。
vol.37 だから日本は尊敬される
マンリオ・カデロ著 小学館新書
・駐日外交団長として活躍している氏が日本の国の素晴らしさを述べたもの。
・自衛隊の外国派遣、エルトゥールル号事件での救援、財政支援など日本の行為は確実に感謝されている。
・また、震災時に混乱しないこと、天皇陛下の慎ましさ、質素倹約に努める国民性、もったいない・いただきますの精神も素晴らしい。
・日本の陶磁器、アニメなどの文化が称賛されてるのは言うまでもなし。
・日本人が自らの歴史を知らない、学んでいないという状況は極めて残念。
・天正遣欧少年使節は初めてのヨーロッパへの使節団であり、日本最強のレペゼン。
・使節団らは、そのレペゼンにあたり教養、態度、忍耐、勤勉さは一級品。コロンブスやマルコ=ポーロなどよりも凄い!だから歓迎されたし、日本は馬鹿にされなかった。
・世界平和には軍縮しかない。困窮している状況に武器があればどのようなことが起こるか容易に想像がつく。力で押さえつける時代は終わった。
・中国、韓国には王者の風格を見せつける。