vol.51 嫌われる勇気
岸見一郎・古賀史健 ダイヤモンド社
・アドラー心理学の解説に展開していく。
第1章
・答えは他者との対話の中で自分の気づきによって得られる。他人がくれた回答はあてにならない。
・アドラー心理学の特徴は「結果論」である。原因論(〜だから、〜)というものは存在しない。そのため、過去のトラウマを明確に否定している。
・生きる焦点は「今ここに」である。そのため、過去や未来に焦点を当てない。
・ライフスタイルは自分で選べるものであり、変わらないのは変わらないという決断をしているということになる。
第2章
・全ての悩みは人間関係に起因している。
・そこから生じる「劣等コンプレックス」「優越コンプレックス」を持ってしまう。
周りに対して、こうしたコンプレックスを持つと、世界を敵と見てしまう。
・アドラー心理学の目標は
行動面
・自立すること・社会と調和して生きる
心理面
・わたしには能力があるという意識を持つ・人々はわたしの仲間であるという意識を持つ
・対人関係として向き合わなければならないもの(タスク)は3つある。
①仕事のタスク(仕事における対人関係)②交友のタスク(友達関係)
③愛のタスク(恋愛・家族関係)
このタスクは逃げずに向き合っていなければならない。様々な口実をつけてこれらのタスクを避けることを「人生の嘘」という。
第3章
・アドラー心理学では承認要求を求めることを否定している。賞罰(褒める、しかる)というのは他者の評価軸で下されたものであるため、他者の評価軸で生きるということになりかねない。評価は操作の側面を持つ。
・また、他者と自分とを区別するために「他者の課題を切り捨て、介入しない」ことが大事である。課題の区別は解決の帰属先を考える。
・この考えが持てれば対人関係のカードは自分が持つことになり、優位に立ち回れる。
第4章
・個人心理学の側面であるアドラー心理学のゴールは「共同体感覚」である。
これは「わたしがここにいてもいい」という感覚である。
・この存在の肯定を促すには存在レベルでの感謝・勇気付けを与えることが重要。これにより全体への貢献感が持てる。
・人間関係は「同じではないけど対等」「横の関係性」で見る。縦軸で見ると優劣が発生するために褒める・しかるといったことが出てくる。
・この姿勢をまず自分から始める。
第5章
・共同体感覚を持つには「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の3つを持つこと。
・自己受容は自分を肯定するのではなく、できる・できないを見極めてその自分を受け入れる肯定的諦めである。
・他者信頼をする時は無条件で行うこと。
・他者貢献も承認要求を通して得たものは自由がないため使いずらい。
・アドラー心理学の生き方の勧めは「ダンスするように生きる」である。これは、その時にある刹那を焦点に生きることである。未来や過去に焦点を当てると、その時点を起点にして「仮の人生」となってしまう。
・人生は点の連続で線ではない。点の行く先はわからないため人生設計とか不可能。
・他者に貢献するという導きの星に従い、生きていくことがオススメ。そこから自身の人生に意味を与えるべき。
・また何か特別な存在になろうという生き方は他者へのマウンティングになるため、普通であることを受け入れる勇気を持つべき。