vol.59 夜と霧
・収容所に到着した時、最初はショックによる混乱を示し、次第に無感情化になる。
・このため、精神は生命の維持を第一優先にして、それ以外の考えを捨てるようになる。
・愛は人間の実存を高く翔り得る最後のものである。愛する人間の物質的に存在するしないに関わらず、精神的な像を想像し自らを充たしてくれる。
・たとえ、生命か死かを左右するような決断であっても、人間の決断は疑わしい。
・環境は精神を規定する完全な力を持ってない。常に、人間は自分の態度を決定づける機会を得ている。
・収容所では、精神的な人間性を崩壊していったものが収容所の影響に陥っていった。そして、内面的な拠り所を持たなくなったものも人間が崩壊した。(人間の崩壊とは、自己の放棄である。)
・収容所にいる人間を精神的に一番苦しめたものは「期限なき仮の状態」である。
・未来や拠り所を持っている人は強いが、それが失われた時は大きなダメージを負う。(例 クリスマスに大量の死者)
・我々が人生に起こる出来事の意味を問うのではなく、人生が我々にそれの意味を問われているのである。我々それに対する行動を持ってして答えなければならない。
・結局、人生とはその意味を正しく答えること、各人の使命を果たし、日々の務めの責任を果たすことにある。
・時に人生は苦悩を課すことがある。これに対しても直視して恥ずかしながらも泣きぬくことが正解である。(という考えが収容所にいる人々を救った考え方である。)将来、きっとそれに対する意味を持ち得る!
・人間は品位があり、善意ある人間かそうじゃないかの二つの種族がある。職業やグループ毎に分けられない。
・収容所を出た直後、嬉しいとは思わなかった。彼らは離人病を患っていて、内的に弛緩した。
・出所した人にも精神的なケアは必要だった。
①自分は辛いことを患ったから、ある程度のことなら許されると思ってしまう。
②出所後に冷淡で無味な態度をとられ、収容所での生活の意味を問い直し鬱になる。
③拠り所としたものが失っており、絶望に苛まれ、自暴自棄になってしまう。
④周囲に興味が湧かず、現実か夢かの区別がつかない。
といった例が。