読書感想文

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vol.70ヒトは「いじめ」をやめられない

中野信子小学館新書

 

・脳内のホルモンを三つ整理

 

オキシトシン

見つめ合う、スキンシップをとる時に分泌されるホルモン。信頼感や仲間意識、愛情が生まれる。人間が集団となって生きていくために生まれたものだが、集団となることで理性が鈍化してしまうことがある。

 

セロトニン

安心、リラックスという時にでるホルモン。セロトニンの低下は前頭前野の働きを悪くし、共感、計画性など社会性が低下してしまう。逆に多いと楽観的に。日本人はこのセロトニンを運ぶセロトニントランスポーターが少なめで不安になりやすい。

 

ドーパミン

快楽ホルモン。食事やセックスなど原始的欲求が満たされると出る。また、自分が正義だと思い制裁行動をしている時にも分泌されるため、いじめをやめられない原因に。

 

・いじめは集団から異なっているものを排除しようという原始的なルールから始まる。

・団結して生きていくのが求められたなかで「タダ乗り」しようとする人を排除するために備えられたのがもともと。

・そのためいじめられやすい人は他人より少し異なっている人がなりやすい。また類似性の高さや獲得可能性が高い人も同様である。

・逆にいじめられにくくするためには、アンダードック効果で自虐するか、誰も敵わないというプロ意識を持つかのどっちか。

・集団からいじめによって排除しようとすることをサンクションと呼ぶ。男性は男性ホルモンのせいか力ずくでの行為が多く徹底的に過激になりやすい。女性はリベンジされる可能性があるため匿名性が高く陰湿になる。 

・ちなみに、女性には共感。男性には誠意が重要。

・集団から逸脱する者がいじめの対象になりやすいとするなら、教育現場においてはいじめを見つけるメリットは何もない。そのため、傍観者が多く、学校や行政も認められないとする。

・特に日本は同調圧力が強め。農耕社会で集団で生活していたからかも。(逆にイタリアは集団生活が苦手。ただデザイナーとか個性を発揮する人材が多く輩出される。)

・子供は「成熟していないヒト」として見なすこと。理性のブレーキが効かないので、監視強化をする。

・支配的、攻撃的になる男性ホルモンが多くでる中学生。また、日照時間の変化でセロトニンが少なく、不安になりやすい6月,11月はいじめが多い。

・他人からどう見られのか、他人はどう見てるのかを考えるメタ認知をする事で、相手の感覚に擦り合わせることも大事。

・他にも、空間的距離をとる、第三者の介入、あまりにも濃ゆすぎる関係を薄めるため、クラス替え、席替え、外部との交流をするなど風通しを良くする。などは対策。

・これからの時代、重要なのはコミュニケーション能力。ただ日本人は苦手ぎみ。相手の意見を尊重し、率直に自分の意見を話す「アサーティブ」が重要。